とりとめのない日常を愛す

柴犬、焼きたてのパンのような、サクサクした揚げ物のような、シュークリームのような、とにかく美味しくないわけがない色を身にまとっておられるので見ていて幸せな気持ちになる。

夕食を済まして食卓が片付く頃、父は二階の寝室へと姿を消し、私と母はコーヒーを飲みながら、そして愛犬と戯れながら他愛もない話をする。この時間が好きだ。一日に蓋をする前に、空いた隙間を埋めて仕上げていくような感覚。

内容はなんだってよくて、本当になんてことない。朝起きたら土砂降りでびっくりした。スポーツ中継があったからいつも観ている番組がやってなかった。通勤の車で好きな曲を聴いた。仕事でいらいらした。あそこのお店美味しいって聞いたから今度行ってみたいな。録画してた探偵ナイトスクープ観たら3本目が面白かった。相変わらず庭に野良猫いる、小さい子からボス猫みたいなのまでいる。いつもと違うスーパーに行ったらいつも買うものが売ってなくて結局いつものスーパーに寄って帰った。冷蔵庫を掃除したら賞味期限切れのものが意外とあってびっくりした。とかそんなこと。

最近YouTubeでもそういった日常的なシーンを軸としたコンテンツを好むようになっていて、それが私の日常にもなりつつある。

さらば青春の光のメインチャンネルも好きなのだけど、『裏さらば』というサブチャンネルも全部面白いので最初から順に観ている。二人がただ喋っているだけなのに面白いので結果的にずっと面白くなっている。五反田の美味しいお店とか、五反田に行くことなんてきっとないのに知れて嬉しくなる。何気ない会話を盛り上げられる才能、わたしも欲しかった。

youtube.com

あとぼる塾のチャンネルにもハマってしまっていて、もし友達がいたら女子同士でこんな会話をしていたんだろうなあという感覚で観ている。会話の内容も個人的な雑談が多めだったりで、程よく日常感が溢れていて、心の中で相槌をうちながら自分もその場に混ざっているような錯覚に陥るので心地がいい。特にぼる塾はみんな心の根っこが優しいのか、人を不快にさせたり傷付けたりする言動をしたくないというのが言葉の端々に感じるので、尚更わたしの心をぎゅっと掴みました。

youtu.be

もともとブログや日記を書いたりするのが好きなので、日常は大切にしている方だと思っていたけれど、見返してみるとやっぱり“出来事”を書きがちだ。人の日常を覗くのもいいけれど、自分の日常も見逃さないように一つ一つ噛み締めていけたらいいな。