30歳を目前にして

もうすぐ30歳になる。

少し前、一人で晩ごはんを食べながら涙が止まらないことがあった。
その時はウルトラマンを観ていた。(シン・ウルトラマンを観てからウルトラマンにハマってしまった)私は趣味が多い方だと思うけど、一人で完結してしまうものがほとんどで、どの趣味においてもそれについて語り合える相手はいない。何かアウトプットしたいのでノートを用意して、一話観るごとに感想を書いたり登場人物やウルトラマンの特徴をメモしたりしていた。最初は楽しくてしょうがなかったけど、次第に虚しくなり、客観的に見た自分の姿があまりにも惨めで泣いてしまったのだと思う。明確な理由はないけど、色んなことがぐちゃぐちゃになっていて、そのきっかけで限界が来たような感じ。
好きなアイドルの界隈でも友達が欲しくてTwitterでタグなどを使ってファンの人と繋がろうとしてみたけれど、大半が10代の女の子だったのでなんだかそこは自分がいるべきではないような気がしてアカウントごと削除してしまった。
友達を作るのが下手くそだ。このままずっと一人で壁に向かって話しかけるような人生が続くかもしれないとか、漠然とした、だけどしっかりと現実味を帯びた不安と常に隣り合わせである。

幸い家族と仲が良いのでそれだけが救いだと感じる。ただその家族についても、今複雑な感情を抱かざるを得ない状況になった。

妹が彼氏との結婚も近いとのこと。昔から妹は何かにハマるとその話題が大半を占めるので、最近は彼氏の話で持ち切りで、それはめでたいことで全然いいのだけど、良くないのはそのたびに自分が比べられてしまうこと。

実は私にも恋人がいる。ただその人と結婚したい気持ちはないのと、家族に自分の恋愛話をしたくないのとで、恋人の存在については一切話していない。そのせいか、恋人はいないと思われているようで、妹が彼氏の話をすると「○○(私)は良い人いないのか」「いてもおかしくないのに、なんでだろうね」「縁結びとか行ってみたら?」みたいなことをちょくちょく言われる。私が恋人が欲しいとか、妹の話を聞いて羨ましがったりしているならまだしも、そういった発言も一切していないのに、勝手に『恋人が欲しいけどできない人』認定されていることが悲しい。

親ぐらいの世代だと、敢えて結婚しない人がいるということがあまり理解できないようで、テレビなどである程度の年齢重ねていて独身の人などがいると、可哀相だとか寂しい人を見るような目で見る。

お盆に祖母に会いに行ったけれど、祖母には会うたびに結婚の予定がないか聞かれてしまう。世代による感覚の違いだから仕方がないと思ってさらりと躱しているけど、ダメージがないわけではない。色んな感情が静かに沸き起こる。

たまたま家族で観ていたドラマで母親が娘に「もう30なんだし、私達が若いうちに結婚したらどう?そしたら色々と手伝ってあげられるし」などという会話が繰り広げられ、まるで自分が言われているかのような気分になり気まずい思いをしたこともあった。

news.tv-asahi.co.jp

今日こんな記事が偶然流れてきて、とても他人事とは思えなかった。

20代(女性に共感):「実家に帰省した時に(親に)『(彼氏)いるの?』って聞かれて、『いてもいなくても言わないよ』って言ったら

私も全く同じ台詞を家族に言ったことがある…。紹介したあとに別れたら気まずいし、本当に確実にもう結婚します!という状況にならないと家族には話したくない。

ここ最近同い年くらいの有名人が立て続けに結婚した。ぱっと思いつくだけでも菅田将暉粗品滝沢カレン河北麻友子、東海オンエアのてつや、朝日奈央とかとにかくめっちゃいる。そんなに歳が変わらないのにすごいなあと思う。正直いまは自分の生活で精一杯で、誰かと一緒に暮らしたりする余裕が自分にはあると思えない。

独身の伯母が一人いて私も仲良くしているんだけれど、今年祖父が亡くなり、いま祖母と伯母のふたり暮らしになった。いつか伯母が一人になる日が来てしまうことが、祖母にとっては気がかりらしい。本人には言っていないだろう(と願う)と思うけれど、そんなふうに自分がいくら良くても親には少なからず心配を掛けてしまう訳で、それはなんだか辛いなと思う。現実問題、60歳とかで身寄りもいないとなると、私の場合は友達もいないし、本当の孤独になってしまうわけで、そんな生活に自分が耐えられるのか分からない。正直こわい。

実家が好きなので長期休暇のときは毎回帰省しているけど、妹が結婚して夫婦で帰ってきたりするようになったら、私も少し帰省を躊躇うかもしれない。何もない自分に罪悪感を抱いて居たたまれなくなってしまいそう。

このまま働き続けて一体何になるんだろう、などと考え始めるともうしばらく抜け出せなくなるので怖い。これまでぼんやりとしていた『将来』というものが、次第にくっきりと見えてしまうようになり、向き合わざるを得ない歳にいよいよなったなと思う。


もちろんポジティブなこともある。(これだけネガティブなことを書き連ねておいて)

この歳になってもまだまだ知らないことや新しい発見が沢山あること、今まで何とも思わなかったものが突然良く思えたりすること、価値観が少しずつ変わってきていて思わぬものにどハマりしたりすること。多趣味なので楽しいこともたくさんある。

でもふとした瞬間に親がいなくなったらどうしよう、このまま働き続けて終わるぐらいの人生ならもう捨てて楽になりたい等と思ってしまう時がある。30歳という一区切りは、不安な気持ちが大きいまま迎えることになりそうだ。もう少し年齢を重ねたら、逆に良い意味で開き直れたり寛大になれるのかもしれないと信じたい。まだ今の私は未熟なようです。