車のライトに照らされたアスファルトが少しだけ虹色になっていて、思わず見惚れていたら車にひかれそうになった。虹ができる仕組みが未だによく分からないながらも、光の屈折がどうのこうのということはなんとなく理解していて、だけど車のライトに照らされたアスファルトにまで虹ができることは今日まで知らなかった。我ながら面白い発見をしたな、と思った。そう思って喜んでも、実はほかのみんなにとっては当たり前のことだった、というような現象がよくあって、自分の無知さに逆に悲しくなったりもする。
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 私はどうしてこうも遠回りをしてしまうのだろう。人生において、回り道だってときには必要とはいえ、私は節目節目に大きな回り道をしてしまっている。たくさんの分かれ道を前にしたとき、普通ならどの道が一番近道になるか、確実に目的地へ辿り着けるかを判断して進む。だけど私は、いったんすべての道に進んでみて間違っていたら引き戻す、の過程を経ないと不安になるから、遠回りになってしまう。他の道に進んでしまっている間に、正しい道が崩れて消えてしまうなんてリスクは考えていないのが私の悪いところだ。一度そうなってしまったらもう取り返しがつかないのに。単純に頭が悪いのかもしれない。今は私は大きなふたつの分かれ道のうち片方へ進んでみたけれど、もう片方が閉ざされそうになっていて、進もうか引き戻そうかの境地に立たされている。人生は選択の連続らしい。天秤座らしく、いつだって私は何かと何かを天秤にかけて眉間にしわを寄せている。選択はむずかしい。
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 コメダさん50周年おめでとう。モーニングのトーストがだいすきです。